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医療に時間軸の概念を

小山嵩夫クリニック院長
小山 嵩夫

 現在のわが国の健康保険制度による医療とは、発症した疾患の症状を原因とともに除去することを目的として、制度が作られ、運営されている。目の前の症状に対する対応は機敏であるが、目の前に症状がなく、潜在している様な場合には対応が鈍感になることも多い。いいかえると治療医学が中心であり、予防医学的内容が希薄である。
 予防医療とは更年期の領域でいえば、骨量減少が起きてはいるがまだ骨折は起きていない場合、どの辺りから対策をたてればよいか、閉経を迎え過度の肥満(例えばBMI28.5)で軽度の高血圧が認められる場合、どんな情報を知ってもらい、どんなことに注意すればよいかなどである。この様な場合、一般的には疫学的な情報とともに、生活習慣的な注意事項が多く、薬物治療は必ずしも必要でない。
 医療には治療医学的な内容と予防医学的な内容があり、治療医学は現状の改善が中心であり、予防医学は将来のQOLの維持改善が目的である。予防医学は医療にいわゆる時間の概念を導入することであり、医療の質において重要な意味を持っている。
 最初にわざわざ健康保険制度による医療とことわったのは、この制度が原則として予防医学的な内容を禁止しており、治療医学のみで運営されているからである。しかしすでに述べた様に医療全体からみると、予防医療を実施できないということは、能力面から見ると片手落ちといえ、制度面での改善が必須である。
 医療とは手術、処置、検査、投薬などが中心と思っている国民、医療関係者も多い。しかし、疾患に対する正確な知識、生活様式、習慣への適切な助言、指導も医療としては重要な領域であることを認識し、そのことを実行できる様な環境づくりも、高齢社会を迎えたわが国には、これからは大切なことである。

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