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コラム
月経以外の出血にはさまざまな原因が…。子宮頸ガンに要注意
ここ半年ぐらい、生理でもないのに出血していることがよくあります。
量は少ないのですが、このまま放っておいても大丈夫でしょうか?(25歳・公務員)
● 心配ないものから病気によるものまで、原因はさまざま
月経時以外にみられる出血を、量の多少にかかわらず「不正出血」といいます。明らかに血の色をしているものだけでなく、茶色っぽいおりものも実は不正出血なので、それと気づかずにいる人も多いのではないでしょうか。
不正出血は、まったく心配のないものから深刻な病気が潜んでいるものまで多岐にわたり、その原因も実にさまざま。心配のない出血の代表格は月経と月経の中間ごろにみられる「排卵期出血」。これは排卵前後のホルモンバランスの変化によって起こるものなので、とくに気にする必要はありません。
一方、不正出血を伴う病気の中で20~30代の女性に最も多く見られるのが「子宮膣部びらん」。子宮の出口部分が慢性的にただれている状態で、成人女性の8~9割にあるといわれています。月経周期とは関係なく少量の出血がみられるほか、性交によって出血することもありますが、症状がよほどひどくない限りとくに治療は必要としません。
他にも、「膣炎」「子宮筋腫」や「頸管ポリープ」などの腫瘍、「卵巣機能不全」など、さまざまな病気が不正出血の原因としてあげられますが、最も注意したいのは、「子宮頸ガン」です。
● 性交時の出血に要注意!「子宮頸ガン」
子宮頸ガンは、初期にはほとんど自覚症状がありません。しかし、性交や性交後に出血することがあり、これが早期発見に結びつく唯一の症状。進行すると、性交時に限らず不正出血の量が増え、悪臭のする茶色っぽいおりものが出るようになります。
この病気は性交渉によって感染するヒトパピローマウイルスとの関係が強く疑われ、セックスの経験がある人なら誰でも危険性があります。性交時に少しでも出血があったら、病院で検査を受けるようにしましょう。また、病気ではありませんが、「妊娠」も不正出血の見逃せない原因のひとつ。妊娠月経は次回月経開始予定の直前に見られ、出血は月経並に多く、腹痛を伴うこともあります。
● 2~3回続くようなら放っておかず病院へ
不正出血は、体のさまざまな変化のサイン。しかし自分で病気かどうかを見極めるのは不可能です。危険信号を見落とさないためにも、気になる不正出血が2~3回続くようなら、必ず病院で検査を受けるようにしてください。
主な性感染症
● クラミジア
出血 | 腹痛 | 月経周期との関係 | 性交後の出血 | |
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子宮膣部びらん | 少ない | なし | 関係なく見られる | あり |
膣炎 | 少ない | なし | 関係なくみられる | あり |
子宮筋腫 | 多い(不正出血というより、過多月経) | あり | 月経周期とともに出血。 月経がそのまま1~2週間続くことも。 |
なし |
子宮頸ガン | 初期は少ないが、進行すると増加 | なし | 関係なくみられる | あり |
頸管ポリープ | 新鮮血が勢いよく出るものの、少量 | なし | 関係なくみられる | あり |
卵巣機能不全 | 少ない | なし | 関係なくみられる | なし |
妊娠 | 少ないことも、多いことも | ある場合も | 関係ない | ないことが多い |